Thursday, July 7, 2011

07/07 よみうり寸評

7月7日付 

 またまた菅首相の〈場当たり〉的な指示が出た。全国各地の原発の再稼働についてストレステスト(耐性検査)を実施するという◆安全性確保のためのストレステスト自体は実施に異論はない。が、エネルギー政策の根幹にかかわる決断が、こうも行き当たりばったりでいいのだろうか◆九州電力の玄海原発(佐賀県)は先月、海江田経産相が運転再開について地元自治体に「安全」のお墨付きを出したばかり。任されていたはずの経産相は突然はしごを外されたかたちだ◆佐賀県の古川知事も当惑。いったんは再稼働了承を九電に伝えた地元玄海町の岸本町長は了承を撤回した。途中までは〈丸投げ〉、最終段階では〈場当たり〉指示。これでは周囲も迷惑千万だ◆経産相は「より安心感を得るためのテスト」と位置づけるが、首相は「まずルールを明確にする」と再稼働はテスト後に判断する意向。閣内の亀裂が露呈した◆こんな経緯を見ていると、いつ崩れるのか、首相と内閣のストレステストを見ているような気もする。
(2011年7月7日14時10分  読売新聞)

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