東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発で31日、原子炉の冷却システムを支える海水ポンプの復旧にめどが立った。今後、ポンプと外部電源をつなぐ作業に入る。正常に働けば、原子炉の冷却に向けた対策が本格化する。
海水ポンプは、炉内から出てきた高温の水を冷ます熱交換器に、常に冷たい海水を供給するための機器。津波ですべてが電源とともに動かなくなり、1~4号機では原子炉や使用済み核燃料プールの冷却ができず水素爆発などが起きた。一方、5、6号機では仮設の海水ポンプを動かすことで燃料プールを冷やし、制御可能な「冷温停止」にすることに成功している。
東電はすでに2、3号機で仮設海水ポンプの設置を完了。1、4号機にも設置の見通しが立った。中央制御室まで来ている外部電源に接続し、海水ポンプによる冷却システムの復旧を急いでおり、東電は「原子炉に水を入れているだけの現状から、冷却システムを動かすことで、5、6号機のように早く安全な状態に持ち込みたい」と話す。
一方、1~4号機のタービン建屋地下やトレンチ(立て坑)内の汚染水について東電は、その水位を無人カメラで常時監視することを決めた。2日までにカメラを設置する。2号機では水表面の放射線量が毎時1000ミリシーベルト超と高く、作業員が近づくことが難しいため。どこに設置するかは検討中という。【関東晋慈、松本惇、酒造唯】
毎日新聞 2011年3月31日 22時50分
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