中部電力は29日、静岡県の浜岡原子力発電所で津波による被害を想定した大規模な緊急時対応訓練を実施した。
協力会社を含めて約140人が参加し、東京電力福島第一原子力発電所で深刻な事態が続いているなか、緊迫した面持ちで万一に備えた。
訓練は「浜岡原発が震度6強の強い揺れと津波で、すべての電源が奪われた」との想定。今回の東日本巨大地震後に配置した発電機車へのケーブル接続、非常用ディーゼル発電機用燃料の移送、海水系ポンプ電動機の復旧訓練などが行われたほか、原子炉を冷却するため消防車を利用した代替注水訓練も実施された。3号機のシミュレーター室では、計器類の確認や非常時の対応訓練も行われた。
御前崎市の石原茂雄市長や同市議らも訓練を視察。石原市長は「福島の事態に市民は不安な気持ちを持っている。これでもかというところまで対策を取らないと市民は納得しない。放射能漏れを想定した訓練の必要もある」と話した。
地元4市でつくる浜岡原発安全等対策協議会(4市対協)の開催については、「話はあるが、中電とだけの4市対協では現状がわからない。国に来てもらったうえで開きたい」と語った。
(2011年3月30日06時53分 読売新聞)
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