菅直人首相は23日午前の衆院復興特別委員会で、東京電力福島第一原発1号機への海水注入が3月12日に一時中断された問題について「少なくとも私や(官邸で協議していた)メンバーが止めたことは全くない」と述べ、政権の関与を否定した。自民党の谷垣禎一総裁が「注水は首相指示で中断したとの報道がある」と質問したことへの答弁。
政府・東電統合対策室は21日、震災翌日の3月12日午後7時4分に海水注入を始め、同25分に東電が自主的に中断したと発表。同55分に首相が注入を指示し、午後8時20分に再開したとしている。首相は「注水の時もやめる時点も、直接報告はあがっていなかった。やめろとかやめるなとか言うはずもない」と述べた。
首相は海水注入の是非について、12日午後6時過ぎから、海江田万里経済産業相や原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長、東電担当者らと協議したことを明らかにしたうえで、「再臨界が起きれば大変なことになる。そういうことも含め海水注入にあたって検討をお願いした」と語った。
班目氏は衆院特別委で、海水注入の際に「(首相に)再臨界の可能性はゼロではないと申し上げた」と説明。対策室は当初、「原子力安全委員長から『再臨界の危険性がある』との意見が出された」としていた。この点について首相は「班目委員長の言うように(発言を)差し替えた」と説明した。
また、谷垣氏は3月12日の首相の福島第一原発視察が1号機の水蒸気を外へ排気する「ベント」の遅れにつながったと批判。首相は「ベントが遅れた理由は(東電の)技術的な問題があったかもしれないが、視察とは関係ない」との認識を示した。
No comments:
Post a Comment