東北一のカーネーションの産地、宮城県名取市では、8日の母の日を前に、津波に耐えて花を咲かせたカーネーションが出荷されている。
同市小塚原地区の栽培農家、三浦雅弘さん(52)の温室は、作付面積約20アールのすべてが1メートル以上浸水し、一部は津波で流失した。発生当初は流れ着いた大量のがれきで、温室に近づけなかったが、3月下旬、全体の1割の約3200本のカーネーションが咲いた。
茎にはわらくずや泥が付着していたが、比較的きれいなものだけを摘み取り、泥を水で洗い流して乾燥させた上で出荷することを決めた。
三浦さんは「せっかく花を付けたのにそのまま枯れていくのではかわいそう。きれいなもの、いいものだけでも手にとってもらえたら」と作業に精を出していた。
近くのショッピングセンターで開かれる「ゆりあげ港朝市」で8本300円で販売される。【森田剛史】
毎日新聞 2011年5月2日 11時36分(最終更新 5月2日 11時57分)
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