東京電力は27日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器を水で満たして燃料を冷やす「水棺」の着手に向け、試験的に原子炉への注水量を増やす作業を始めた。従来の約2.3倍にあたる毎時14トンに段階的に引き上げ、水漏れの程度を分析。水棺による安定冷却が可能かを見極める。
注水は、毎時6トンから10トンに増やし、さらに14トンまで引き上げて28日中に元の水量に戻す。水量の増加に伴う圧力や水位の変動から格納容器の状況を確認。28日以降には原子炉建屋に米国製ロボットを投入し、映像で水漏れ箇所を再度調べる計画だ。この間も、水素爆発を防ぐための窒素注入は続ける。
1号機は燃料の約7割に損傷があるとされる。格納容器には、燃料を冷やすために原子炉圧力容器に注いだ水が漏れるなどして、既に約6メートルの水がたまっている。格納容器に損傷があれば意図しない汚染水が増す懸念があるほか、余震に備えた耐震安全性など課題は多い。【八田浩輔】
毎日新聞 2011年4月27日 11時06分(最終更新 4月27日 13時07分)
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