東京電力は27日、先月まで福島第1原発事故の復旧作業に当たっていた50代の女性社員が、国の規則を超える17.55ミリシーベルトを被ばくしていたと発表した。「健康への影響はない」としている。
東電によると、女性は福島第1原発内で消防関係の業務を担当。事故発生後に数回現場に行ったという。職業被ばくの放射線量の限度は、通常5年で100ミリシーベルト以内とされているが、妊娠への影響が懸念される女性は3カ月間で5ミリシーベルト以内と国の規則で厳しく定めている。26日に内部被ばくも含めた全体被ばく線量を調べたところ、女性社員は、今年1月1日から3月11日までの被ばく線量はゼロで、同日から22日までに17.55ミリシーベルトを記録した。
東電によると、3月22日まで、18歳から50代までの女性の社員や下請け会社の作業員が福島第1原発の敷地内で勤務していた。うち16人は規則の限度内だったことを確認したが、今回被ばくが判明した女性社員を除く2人は検査中という。3月23日以降、女性に勤務はさせていないという。早期に女性作業員を避難させなかったことについて東電は「判断ミスだった」と説明している。
女性社員の被ばくについて、経済産業省原子力安全・保安院は27日、東電に口頭で厳重注意した。近く、原因究明や再発防止などを求める指示を文書で出す。【八田浩輔、日野行介、奥山智己】
毎日新聞 2011年4月27日 11時41分(最終更新 4月27日 13時02分)
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