セシウム137の拡散予測
東京電力と経済産業省原子力安全・保安院は15日、東電が4日から10日にかけて福島第一原子力発電所から意図的に海へ放出した比較的低濃度の放射能汚染水が、合計1万393トンにのぼったと発表した。含まれる放射能の量は、ヨウ素131やセシウム134などを足し合わせて1500億ベクレル。今後は仮設タンクを設置するなどして収容場所を確保し、保管するという。
放出は主に、2号機のタービン建屋地下や坑道にたまった高濃度の汚染水が海に流出するのを防ぐため、その保管場所を確保することを目的に行われた。
当初は集中廃棄物処理施設の1万トンのほか、5、6号機の周りの地下水をためている升の1500トン、計1万1500トンの放出が計画された。
実際の放出量は、集中廃棄物処理施設で9070トン、5、6号機の升で1323トンと、計画よりやや少なめだった。放射能の総量も、放出当初の見積値(1700億ベクレル)よりやや少なかった。
放出した水の放射能の濃度は、原子炉等規制法が定める海水での濃度の基準の100倍程度にあたる。保安院によると、今回の放出分だけに限ると、原発から1キロ以遠の魚や海藻を毎日食べた場合の年間被曝(ひばく)量は0.6ミリシーベルトで、年間に自然界から受ける放射線量(2.4ミリシーベルト)の4分の1にあたる。
東電は放出の際、漁業関係者や周辺国への事前連絡が不十分だと批判を浴びた。今回の発表の際には、東京にある関係各国の公館、福島県や県内の原発立地4町、漁協などに連絡したという。
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