Thursday, September 29, 2011

29/09 厚生年金、妻が半額受給…サラリーマン・公務員世帯の専業主婦


厚生労働省、制度見直し

 厚生労働省は29日、サラリーマンや公務員世帯の専業主婦が、夫が支払う厚生年金などの保険料の半分を払ったとみなし、夫が受け取る厚生年金などの受給額の半分を妻の基礎年金に上乗せする仕組みに改める方向で検討に入った。
 同省は改革案を29日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会に示し、2012年の通常国会に関連法案を提出する考えだ。
 ◆支払者とみなし、保険料支払いと年金受給を対応
 サラリーマンや公務員世帯の専業主婦は、保険料を支払わないのに基礎年金を受け取ることができる。この第3号被保険者制度には「専業主婦優遇だ」という批判がある。3号の保険料は年金加入者全体で負担しており、3号の夫の保険料だけでなく、共働きや単身者の分も主婦への年金の原資になっているからだ。政府・与党が6月に決めた社会保障・税一体改革成案でも見直しを求めている。
 厚労省は見直しに向け、夫の保険料を増額したり、妻に保険料を求めたりする案や、妻の基礎年金を減額する案を検討していた。しかし、理解を得るのは困難だとみてこうした案は見送る一方、保険料支払いと年金受給とを対応させる形をとるため、今回の改革を実施することにした。
 新制度になっても、世帯として支払う保険料はこれまでと同じで、新たな負担が生じるわけではない。受給額は夫婦で同額となるが、夫婦が受給する年金額の合計も変わらない。
 サラリーマン世帯の専業主婦については、離婚時に夫の厚生年金を夫婦で分け合う年金分割の制度が2007年に新設された。離婚後に厚生年金を夫だけが受給する仕組みが批判され、夫を支えた妻の立場を認めたものだが、改革後は離婚しなくても妻が夫の年金の半分を得ることになる。
 厚生年金制度には、夫が死亡した場合、妻は夫の年金の4分の3を遺族年金として受給する仕組みがある。改革後は妻の遺族年金自体は減るが、上積み分を入れれば受取額全体は増える計算になる。こうした点を含め、改革後の遺族年金の仕組みは今後、検討する。
(2011年9月29日  読売新聞)

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