Monday, June 20, 2011

20/06 よみうり寸評


6月20日付

梅雨は黴雨ばいう、食中毒の季節だ。厚生労働省は「オー157やO111などによる食中毒に注意!」と政府広報で呼びかけている◆「生食用として提供された肉でも、子ども、お年寄り、抵抗力の弱い方は、生で肉を食べないようにしましょう」ということだ◆が、その厚労省によると「全国の食肉処理施設では少なくとも2008年から2年間、生食用牛肉の出荷はなかった」というから、???。現実にはユッケなどがどこでも売られていた。で、この4月に、富山、福井、神奈川で病原性大腸菌O111による集団食中毒事件が起きた◆さらに二度びっくりは厚労省が先週、発表した全国調査の結果だ。生肉を提供している飲食店の半数を超えて、51・8%が国の衛生基準を守っていない◆食肉処理、食肉販売を加えた3業種全体で47・6%が違反。食中毒事件を受けての調査なのにこの結果。〈過ちて改むるにはばかるなかれ〉が感じられない◆業界の無責任、行政の甘さ。〈過ちて改めざる、これを過ちという〉と知るべし。
(2011年6月20日14時24分  読売新聞)

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