Monday, July 11, 2011

11/07 よみうり寸評

7月11日付 

 〈帰る日の知れざる越後の避難所に口ずさむなり相馬流れ山 三条市 矢田園〉――先日の読売歌壇の一首◆「原発の事故で異郷にその歌を口ずさむ哀切の思い」と選評にある。その歌「相馬流れ山」は7月下旬、福島県南相馬市の「野馬追」の夜に歌われる民謡◆きょう7・11。東日本大震災発生の3・11から4か月になる。6月30日現在、避難者は全国47都道府県の1146市区町村で9万9236人に上り、うち約2万4000人が依然、学校などの避難所で生活している。厳寒から酷暑へと季節は移った◆わが家へいつ帰るとも知れぬ不安な思いは察するに余りある。エアコンもなく、蒸し暑い体育館などの避難所。腐臭、ハエなどに悩まされる所もある◆そんな折、女子サッカーW杯、なでしこジャパンの健闘には元気づけられる。3連覇を狙う強豪ドイツを延長戦で破り、初のベスト4進出はあっぱれ◆決勝点をあげたFW丸山桂里奈は05~09年の間、東京電力に所属していて、被災地福島にゆかりの深い選手だ。
(2011年7月11日13時55分  読売新聞)

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