東京電力福島第一原発事故で、大半が警戒区域にある福島県楢葉町が全世帯を対象に行ったアンケート調査で、避難生活中に体調が悪化した家族がいる世帯が7割以上に上ることがわかった。
家族が病院に通う世帯も7割近いが、かかりつけ医の不在や治療費の心配などから必要な治療を受けていないケースも1割強に上った。収入が減った世帯も6割余で、避難者が健康や経済面で厳しい状況にあることがうかがえる。
町が8月に全2900世帯にアンケートを郵送し、1995世帯(68・8%)から回答を得た。町民の多くは、隣のいわき市や役場機能がある会津美里町の仮設住宅や民間借り上げ住宅などに避難している。
体調が「(避難生活で)非常に悪くなった家族がいる」17・7%、「少し悪くなった家族がいる」53・8%で、合計71・5%。病院などに「通院している」は66・6%だが、「必要だがかかっていない」が7・3%、「治療を中断」も5・5%。その理由は「かかりつけの医療機関ではない」が40・7%と多く、「近くに適当な医療機関がない」21・4%、「治療費や交通費が心配」18・5%と続いた。「先の見通しがつかず、精神的につらい」は72・2%に上っている。
(2011年9月30日03時02分 読売新聞)
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