九州電力玄海原子力発電所（佐賀県玄海町）２、３号機について、玄海町の岸本英雄町長が４日、九電に再稼働の了承を伝えたことで、全国的な課題になっている原発再稼働問題は具体的に前進した。しかし周辺自治体の首長の多くは、現時点では市民の理解は得られていないとの考えを表明した。
玄海原発から最短で１２キロに位置する佐賀県伊万里市の塚部芳和市長はこの日の定例記者会見で、「現時点では同意しかねる。原子炉内の部品の金属疲労、耐用年数は本当に大丈夫なのか」と反対を表明。玄海町に隣接する同県唐津市の坂井俊之市長も記者会見で、町長の判断の是非についてはコメントを避けながらも、「市民の不安は払拭されていない」と強調した。
「国から何の情報もなく市民に効果的な情報を発信することもできない」と危機感を示したのは２０キロ圏にかかる福岡県糸島市の松本嶺男市長。これら３市を含む周辺７市の原発防災連携を呼びかけた長崎県松浦市の友広郁洋市長は「再稼働了承と防災は分けて考える必要がある。協議は続けていきたい」と述べた。
（2011年7月5日 読売新聞）
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