Monday, June 27, 2011

27/06 余録:親指から順番に赤、緑、黒、黄、青…

 親指から順番に赤、緑、黒、黄、青。五輪マークの5色が「なでしこジャパン」の18人の手のつめを彩った。ピッチに散っていてもベンチを温めていても、指先に目をやれば全員の心が一つになる儀式だ▲3年前の北京五輪。2大会連続の五輪出場を果たした女子サッカー日本代表は苦しみながらも1次リーグを突破、準々決勝で地元・中国を破る会心の勝利を挙げた。米国とドイツに敗れてメダルは逃したものの「4強」は日本女子にとって歴史的な快挙だった▲男子と比べ、強化が遅れていた日本女子サッカーだが、このところ急速に力を付け、注目度も高まっている。北京五輪で自信を強め、昨年の広州アジア大会は男女アベック優勝。なでしこたちは中国や北朝鮮といったライバルに肩を並べ、抜き去るまでに成長した▲「なでしこジャパン」と命名されたのは7年前だ。アテネ五輪の出場権を獲得したのを機に日本サッカー協会が愛称を公募し、約2700通の中から選ばれた。当初は面はゆい思いをした選手も少なくなかったというが、実績を積み上げることですっかり定着してきた▲日本を含む16チームが出場する女子ワールドカップ(W杯)は26日にドイツで開幕した。日本の初戦は27日のニュージーランド戦。北京五輪でも初戦で対戦、2点を先行されたが引き分けに持ち込んだ難敵だ。初のメダルを目指す日本にとり、今後を占う大事な一戦となる▲心強いのはW杯5大会連続出場となる32歳の主将、澤穂希選手の存在だ。チームの心を一つにする秘策も豊富に持ち合わせていよう。今大会でも選手一人一人の指先に注目してみようか。
毎日新聞 2011年6月27日 東京朝刊

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