Thursday, June 23, 2011

23/06 よみうり寸評 - 信を失った首相による延長は不毛の70日にならないか


6月23日付

 「この1週間、何をしてきたんだろう」と民主党の岡田幹事長。菅首相と自民、公明両党の間をむなしく走ったことへの自嘲の弁だ◆ようやく決まった国会の会期延長の話。〈延長幅50日、第3次補正は「新首相の下で」〉で一度はまとまりかけた3党合意が幻に。50日は70日に、「新首相の下で」は「新体制で」になった◆菅首相が強く抵抗したからだ。「新首相」では退陣が明確だが、「新体制」ならあいまいでなお粘れると首相は踏んだ。退陣時期に言質を与えない◆いわゆる玉虫色が狙いで延命策が見え見え。これでは自民、公明両党にしてもその手には乗れない。「新体制で」を玉虫色と言えば、美しい本来の玉虫色が怒る◆延命のための露骨なペテン色だ。もともと今回の首相退陣をめぐる混乱は不信任案否決の際のペテン(鳩山前首相の言)に始まっている。そこへまたもペテンまがい、玉虫色で延命策は頂けない◆非常時の会期延長は当然でも、信を失った首相による延長は不毛の70日にならないか。心配だ。
(2011年6月23日14時05分  読売新聞)

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