Sunday, July 15, 2012

「虐殺」は特定集団への攻撃…シリア国連監視団


 【ダマスカス=田尾茂樹】12日に住民220人が殺害されたとされるシリア中部タラムセ村で現地調査を行った国連シリア停戦監視団(UNSMIS)は14日、攻撃が「政府軍離反兵や反体制派活動家ら特定集団」を主な標的とするものだったとみられるとの声明を発表した。反体制派は、無差別な虐殺と主張していた。
 ただ、声明は攻撃を行ったのが誰かは明記しておらず、事件の実態は解明出来ていない部分も多い。調査は15日も行われた。
 政府軍の残虐行為が確認されれば、国連安全保障理事会での制裁論議にも影響が及ぶとみられる。
 調査に同行した関係者によると、タラムセ村で特に大きな被害を受けたのは住居5、6軒と、住民が避難したとされる学校。ある住居では壁や窓が破壊されて大きな穴が開き、床には血だまりが残っていた。
 住民は「(政府支持派民兵組織)シャッビーハが、一家を皆殺しにして火をつけた」とまくし立てたという。監視団は「迫撃砲や小火器など多様な武器が使用された」と指摘した。
 これに対し、シリア外務省報道官は15日、タラムセ村で死亡したのは「武装集団37人と住民2人」だったと発表し、重火器の使用についても否定した。
 反体制派は、女性や子供を含む220人が死亡したと主張しているが、英国を拠点とするシリア人権監視団がこれまでに確認した犠牲者は103人で、いずれも男性だったという。
(2012年7月16日00時01分  読売新聞)

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