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- 2012/6/13 14:00
(2012年6月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
交流サイト(SNS)世界最大手の米フェイスブックは、投資収益率(ROI)データを盾に、自社の広告モデルに対する批判への反撃に打って出た。だが、マーケティング担当者は依然として慎重なまなざしを向けている。
■スタバで購入可能性が38%増
その調査によると、米コーヒーチェーン大手スターバックスでは、ユーザーがフェイスブック上の販売広告を見た場合、その4週間以内に同社商品を購入する可能性が38%高まったという。また、ディスカウントストア大手の米ターゲットでは、広告により購入額が21%増加した。
フェイスブックのIPO準備期間中、米ゼネラル・モーターズ(GM)などの広告主やアナリストは、新形式の広告が企業ブランドにどれほどの収益をもたらすか明確でないとして、フェイスブックの有料広告の効果に疑問を呈してきた。
フェイスブックのブラッド・スモールウッド氏は「当社が今になってROIの測定に着手したというのは少し語弊がある。広告がROIの向上をもたらすということには大いに自信がある」と話す。
■第三者のデータ求める広告主
だが、今回の調査では明らかにされていない疑問もまだ多い。特に、マーケティング関係者の間には、より良い広告を作り上げるのに役立つデータをフェイスブックが制限し過ぎているとの不満がある。
広告主は、フェイスブックがコムスコアなどの企業と協働して一部の広告の効果測定を始めたことを歓迎しながらも、これをすべての広告に適用して欲しいと考えている。
テレビ番組に表示されるCM効果を測定する際に広告主がテレビ局側のデータだけに依存しないのと同様に、マーケティング担当者はSNS上の広告を評価する際には(フェイスブックだけではなく)第三者による信頼性の高いデータを求めている。
電通傘下のデジタルマーケティング代理店360iのサラ・ホーフシュテッター社長は「米ニールセンなどの調査会社の役割は点と点を結び付けて線にすることだ」と話す。
フェイスブックが外部のトラッキング(追跡)ツールの使用を制限しているため、広告を掲載する側は同社が提供するデータに大きく依存せざるを得ない。そのため、広告主がテレビや印刷物などその他の媒体と比べてフェイスブックの広告にどの程度の効果があったのかを測定することは難しいと広告代理店幹部は指摘する。
この問題に対処するため、フェイスブックはこの数年間で、コムスコアやニールセン、米カンターメディアなどの大手調査会社との提携を進めてきた。スモールウッド氏は、こうした提携により信頼性の高い測定基準をマーケティング担当者に提供することができるとみている。
「広告主はフェイスブック自身の測定ではなく第三者による測定を求めており、満足のいくシステムは何でも利用したいと考えている」と話す。
By April Dembosky and Emily Steel
(c) The Financial Times Limited 2012. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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