Saturday, April 23, 2011

11/04 編集手帳 Rudy Giuliani: 自粛が行き過ぎ、社会の活力が失われてしまっては復興は遠のくばかりだ

4月11日付 

 「普段通りの生活をしても、死者を悼むのをめたことにはならない。犠牲を無駄にしないため我々がまずできることは、普段の生活を取り戻すことだ」◆10年前に起きた米同時テロの11日後、当時のルドルフ・ジュリアーニ・ニューヨーク市長は市民にこう語りかけた。市民以外の人々にも、ニューヨークに買い物に来るよう呼びかけた。「いつも混んでる店も今ならいている」と◆同時テロと今回の震災を安易に比べることはできないが、災厄がもたらした悲しみを乗り越え、前進しようという人々の強い決意は変わらない。自粛が行き過ぎ、社会の活力が失われてしまっては復興は遠のくばかりだ◆米紙は震災後、繁華街から人混みが消え、選挙運動までおとなしくなった日本の様子を、「ジシュクが国民的な強迫観念になった」と皮肉った。だが、桜が満開になった東京では、宴会自粛の看板をはずす公園もあり、花見客も増えてきた◆震災から1か月。余震や原発事故に苦しむ被災者のためにも、家に閉じこもらず、思い切って外に出かけよう。普段の生活に戻るのが、日本の活力を取り戻す第一歩だ。

(2011年4月11日03時29分 読売新聞)

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