通常、原子炉は水で満たされており、燃料棒を集めた炉心が一定温度以上に過熱するのを防いでいる。だが、原子炉内の水位が何らかの理由で下がると、むき出しになった燃料集合体が熱を放出し続け、冷却機能は落ちていく。2800度くらいになると、核燃料そのものが溶けだしてしまう。
最悪の場合、溶けた燃料棒が、放射性物質が漏れないようにするための壁である圧力容器なども溶かし、放射性物質が大量に放出されることになる。
原子力安全・保安院の見解では、福島第一原発では燃料棒の損傷が起きている可能性はあるが、炉心溶融には至っていない。地震で水を補充する機能が失われる一方で、炉内の水は燃料が熱を放出することでどんどん蒸発したため、水位が下がったとみられ、炉心溶融を避ける方法は、冷却しかない。東電では、こうした場合に備え、緊急炉心冷却装置(ECCS)を設けていたが、非常用発電機まで津波などの被害を受けたため、この装置も使えなくなった。このため、外部からECCSなどを動かす電力を引く準備を進めるとともに、冷却のための海水注入を続けている。
(2011年3月22日 読売新聞)
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Sunday, April 10, 2011
原発キーワード 炉心溶融
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原発キーワード 半減期
放射性物質は、原子を構成する陽子と中性子のバランスが不安定で、エネルギーを放出しながら、一定の割合で崩壊し、別の安定性の高い原子に変化していく。この際、放出されるのが放射線だ。
放射線を出す能力(放射能)は時間の経過とともに弱まっていき、この放射能が半分になるまでの期間のことを、半減期という。半減期は、放射性物質によって異なり、不安定なものほど多くの放射線を放出して崩壊が速く進むので短い。
福島第一原発の事故後、近隣地域の農産物から暫定規制値以上のレベルで検出された放射性ヨウ素131の半減期は8日、放射性セシウム137では30年。ヨウ素よりもセシウムの方が土壌にも残りやすいことになる。長いものでは、プルトニウム239の2万4000年、ウラン238の45億年などがある。
(2011年3月24日 読売新聞)
放射線を出す能力(放射能)は時間の経過とともに弱まっていき、この放射能が半分になるまでの期間のことを、半減期という。半減期は、放射性物質によって異なり、不安定なものほど多くの放射線を放出して崩壊が速く進むので短い。
福島第一原発の事故後、近隣地域の農産物から暫定規制値以上のレベルで検出された放射性ヨウ素131の半減期は8日、放射性セシウム137では30年。ヨウ素よりもセシウムの方が土壌にも残りやすいことになる。長いものでは、プルトニウム239の2万4000年、ウラン238の45億年などがある。
(2011年3月24日 読売新聞)
原発キーワード ベクレル
放射性物質の放射線を出す能力の強さを表す単位で、1秒間に放射性物質の原子1個が崩壊する場合に放射線を放出する能力を1ベクレルという。人が放射線に被曝
ひばく
した時に受ける影響の度合いを示す「シーベルト」とは異なる。
放射性物質を電球に例えると、60ワットや100ワットなどの電球そのものの明るさはベクレル、その電球で照らされた場所の明るさがシーベルトに相当する。
同じ強さの光でも、白熱灯や蛍光灯など電球の種類によって人が感じる光の明るさは変わるように、放射性物質の種類によって影響は違う。このため、国の定めた一定の計算式に基づいてベクレルの数値を換算し、シーベルトという共通の指標を導き出すことになる。
福島第一原発の事故では、原発事故の際に検出されることが多い放射性ヨウ素131や放射性セシウム137と呼ばれる放射性物質が各地で検出されている。例えば、今回の事故では、ホウレンソウから1キロ・グラム当たり暫定規制値の40倍となる2万ベクレルの放射性セシウム137が検出されたケースもあった。このホウレンソウを1キロ食べた場合、人体の影響は0・26ミリ・シーベルトとなるが、一般に健康に影響が出るのは100ミリ・シーベルトとされているので、問題がないレベルということになる。
(2011年3月24日 読売新聞)
ひばく
した時に受ける影響の度合いを示す「シーベルト」とは異なる。
放射性物質を電球に例えると、60ワットや100ワットなどの電球そのものの明るさはベクレル、その電球で照らされた場所の明るさがシーベルトに相当する。
同じ強さの光でも、白熱灯や蛍光灯など電球の種類によって人が感じる光の明るさは変わるように、放射性物質の種類によって影響は違う。このため、国の定めた一定の計算式に基づいてベクレルの数値を換算し、シーベルトという共通の指標を導き出すことになる。
福島第一原発の事故では、原発事故の際に検出されることが多い放射性ヨウ素131や放射性セシウム137と呼ばれる放射性物質が各地で検出されている。例えば、今回の事故では、ホウレンソウから1キロ・グラム当たり暫定規制値の40倍となる2万ベクレルの放射性セシウム137が検出されたケースもあった。このホウレンソウを1キロ食べた場合、人体の影響は0・26ミリ・シーベルトとなるが、一般に健康に影響が出るのは100ミリ・シーベルトとされているので、問題がないレベルということになる。
(2011年3月24日 読売新聞)
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原発キーワード 暫定規制値
都道府県や保健所を設置する自治体は、食品衛生法に基づき、食品の残留農薬検査などを実施し、基準を超える有害物質が検出された場合は、回収や販売停止などの措置を取る。
しかし、同法では食品が放射能で汚染される事態を想定していなかったため、安全性を判断する基準がなかった。
そのため、厚生労働省は今回の原発事故後、急きょ、政府の原子力安全委員会の「飲食物摂取制限に関する指標」を基に、暫定的な規制値を設定した。1年間毎日摂取し続けても健康に害がでないとされる値を基に、牛乳・乳製品は1キロ・グラム当たり放射性ヨウ素300ベクレル以上、同セシウム200ベクレル以上、野菜類(根菜、芋類を除く)は1キロ・グラム当たり同ヨウ素2000ベクレル以上、同セシウム500ベクレル以上などとする。
ウランやプルトニウムなどの規制値もある。規制値を上回る放射性物質が検出された場合、都道府県知事などは同法に基づき、事業者に食品の回収や廃棄を命令することが出来る。原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限の指示なども、この暫定規制値を参考に判断された。内閣府の食品安全委員会では現在、正式な基準を作るため健康影響評価を実施している。
(2011年3月24日 読売新聞)
しかし、同法では食品が放射能で汚染される事態を想定していなかったため、安全性を判断する基準がなかった。
そのため、厚生労働省は今回の原発事故後、急きょ、政府の原子力安全委員会の「飲食物摂取制限に関する指標」を基に、暫定的な規制値を設定した。1年間毎日摂取し続けても健康に害がでないとされる値を基に、牛乳・乳製品は1キロ・グラム当たり放射性ヨウ素300ベクレル以上、同セシウム200ベクレル以上、野菜類(根菜、芋類を除く)は1キロ・グラム当たり同ヨウ素2000ベクレル以上、同セシウム500ベクレル以上などとする。
ウランやプルトニウムなどの規制値もある。規制値を上回る放射性物質が検出された場合、都道府県知事などは同法に基づき、事業者に食品の回収や廃棄を命令することが出来る。原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限の指示なども、この暫定規制値を参考に判断された。内閣府の食品安全委員会では現在、正式な基準を作るため健康影響評価を実施している。
(2011年3月24日 読売新聞)
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原発キーワード IAEA
国際原子力機関。1957年に発足し、2010年4月現在、151か国が加盟している。
イランなど核物質の軍事転用を進めている疑いのある国を査察するほか、原子力発電所で事故が起きた場合、現地で放射性物質の計測などを実施する。今回の事故では3月18日に調査団が来日し、福島や首都圏で活動している。
また、92年には経済協力開発機構(OECD)と共同で、原発事故の影響を判断する国際原子力事象評価尺度(INES)を策定。〈1〉放射性物質などの放出〈2〉炉心の損傷など〈3〉防護設備の劣化――の状況から、事故のレベルを8段階に評価する。
炉心が爆発して建屋が吹き飛んだ旧ソ連のチェルノブイリ事故(86年)は、最も深刻な事故であることを示すレベル7。茨城県東海村の核燃料加工工場JCOで作業員2人が死亡した臨界事故(99年)は、国内では最高のレベル4だった。
今回の事故については、原子力安全・保安院が18日、暫定評価をレベル5と発表した。これは、炉心が空だき状態になって燃料の一部が溶融した米国のスリーマイル島原発事故(79年)と同じ評価だ。ただ、これはまだ放射性物質の放出状況が十分調査できていない段階で、炉心の損傷具合のみで評価したもの。放射性物質の放出量測定は数か月かかるが、正式評価ではレベルが上がる可能性がある。
イランなど核物質の軍事転用を進めている疑いのある国を査察するほか、原子力発電所で事故が起きた場合、現地で放射性物質の計測などを実施する。今回の事故では3月18日に調査団が来日し、福島や首都圏で活動している。
また、92年には経済協力開発機構(OECD)と共同で、原発事故の影響を判断する国際原子力事象評価尺度(INES)を策定。〈1〉放射性物質などの放出〈2〉炉心の損傷など〈3〉防護設備の劣化――の状況から、事故のレベルを8段階に評価する。
炉心が爆発して建屋が吹き飛んだ旧ソ連のチェルノブイリ事故(86年)は、最も深刻な事故であることを示すレベル7。茨城県東海村の核燃料加工工場JCOで作業員2人が死亡した臨界事故(99年)は、国内では最高のレベル4だった。
今回の事故については、原子力安全・保安院が18日、暫定評価をレベル5と発表した。これは、炉心が空だき状態になって燃料の一部が溶融した米国のスリーマイル島原発事故(79年)と同じ評価だ。ただ、これはまだ放射性物質の放出状況が十分調査できていない段階で、炉心の損傷具合のみで評価したもの。放射性物質の放出量測定は数か月かかるが、正式評価ではレベルが上がる可能性がある。
(2011年4月1日 読売新聞)
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原発キーワード プルトニウム
第一原発の事故後、各地で放射性ヨウ素やセシウムなど放射性物質が検出されているが、3月28日には原発敷地内の土壌からプルトニウムも検出された。
プルトニウムはヨウ素やセシウムに比べ原子が重く拡散しにくいとされるが、これが原子炉外から検出されたことは、原子炉内が高温になって燃料が損傷し、その中の物質が水などと一緒に外に漏れ出したことを示し、重大な事故であると想定される。
今回検出されたのはプルトニウム238、239、240。このうち239は核分裂することによって巨大なエネルギーを生みだし、核兵器の原料にもなる。半減期もヨウ素131(8日)やセシウム137(30年)に比べ長く、プルトニウム239は2万4000年。
プルトニウムの出す放射線の透過力は弱く、外部被曝
ひばく
の心配は少ないが、吸い込むと肺や肝臓、骨にとどまり、がんを引き起こす危険がある。その毒性はヨウ素やセシウムより強い。
ただ、今回、敷地内から見つかったプルトニウムの量は、冷戦期に行われた核実験のために土壌中に蓄積されたプルトニウムとほぼ同程度で、健康への影響は心配ないという。
(2011年4月1日 読売新聞)
プルトニウムはヨウ素やセシウムに比べ原子が重く拡散しにくいとされるが、これが原子炉外から検出されたことは、原子炉内が高温になって燃料が損傷し、その中の物質が水などと一緒に外に漏れ出したことを示し、重大な事故であると想定される。
今回検出されたのはプルトニウム238、239、240。このうち239は核分裂することによって巨大なエネルギーを生みだし、核兵器の原料にもなる。半減期もヨウ素131(8日)やセシウム137(30年)に比べ長く、プルトニウム239は2万4000年。
プルトニウムの出す放射線の透過力は弱く、外部被曝
ひばく
の心配は少ないが、吸い込むと肺や肝臓、骨にとどまり、がんを引き起こす危険がある。その毒性はヨウ素やセシウムより強い。
ただ、今回、敷地内から見つかったプルトニウムの量は、冷戦期に行われた核実験のために土壌中に蓄積されたプルトニウムとほぼ同程度で、健康への影響は心配ないという。
(2011年4月1日 読売新聞)
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原発キーワード 玉突き排水
福島第一原子力発電所では、タービン建屋の地下や、トレンチと呼ばれる作業用トンネルに高濃度の放射性物質で汚染された水がたまり、問題となっている。
原子炉を冷却するために原子炉圧力容器へ注入した海水が容器から漏れ出したことなどが原因と見られているが、汚染水を処理できなければ、冷却のために必要な外部電源ケーブルの敷設が難しい。
そこで、汚染水を排水するため、東京電力はまず建屋地下の汚染水をポンプでくみ上げ、復水器に移そうとした。復水器とはタービンを回した蒸気を冷やして出来た水をためる場所だ。しかし、復水器はほぼ満杯だったので、復水器内に入っていた水を原子炉冷却用の水を一時的に蓄えておく復水貯蔵タンクに移し替える計画だ。復水貯蔵タンクの水は、別のタンクに移し替え、それぞれの空き量を確保するが、汚染水は大量で、注水も継続しているため、いつ完全に除去できるか見通しは立っていない。
(2011年4月1日 読売新聞)
原子炉を冷却するために原子炉圧力容器へ注入した海水が容器から漏れ出したことなどが原因と見られているが、汚染水を処理できなければ、冷却のために必要な外部電源ケーブルの敷設が難しい。
そこで、汚染水を排水するため、東京電力はまず建屋地下の汚染水をポンプでくみ上げ、復水器に移そうとした。復水器とはタービンを回した蒸気を冷やして出来た水をためる場所だ。しかし、復水器はほぼ満杯だったので、復水器内に入っていた水を原子炉冷却用の水を一時的に蓄えておく復水貯蔵タンクに移し替える計画だ。復水貯蔵タンクの水は、別のタンクに移し替え、それぞれの空き量を確保するが、汚染水は大量で、注水も継続しているため、いつ完全に除去できるか見通しは立っていない。
(2011年4月1日 読売新聞)
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