Sunday, April 10, 2011

原発キーワード ベクレル

 放射性物質の放射線を出す能力の強さを表す単位で、1秒間に放射性物質の原子1個が崩壊する場合に放射線を放出する能力を1ベクレルという。人が放射線に被曝
ひばく
した時に受ける影響の度合いを示す「シーベルト」とは異なる。

 放射性物質を電球に例えると、60ワットや100ワットなどの電球そのものの明るさはベクレル、その電球で照らされた場所の明るさがシーベルトに相当する。

 同じ強さの光でも、白熱灯や蛍光灯など電球の種類によって人が感じる光の明るさは変わるように、放射性物質の種類によって影響は違う。このため、国の定めた一定の計算式に基づいてベクレルの数値を換算し、シーベルトという共通の指標を導き出すことになる。

 福島第一原発の事故では、原発事故の際に検出されることが多い放射性ヨウ素131や放射性セシウム137と呼ばれる放射性物質が各地で検出されている。例えば、今回の事故では、ホウレンソウから1キロ・グラム当たり暫定規制値の40倍となる2万ベクレルの放射性セシウム137が検出されたケースもあった。このホウレンソウを1キロ食べた場合、人体の影響は0・26ミリ・シーベルトとなるが、一般に健康に影響が出るのは100ミリ・シーベルトとされているので、問題がないレベルということになる。

(2011年3月24日 読売新聞)

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