Saturday, April 2, 2011

02/04 コーラン焼却抗議拡大、米軍撤退後のアフガン治安に暗雲

2011年4月2日23時24分

 米国のキリスト教会でコーランが焼かれた事件をきっかけにしたアフガニスタンの騒乱が拡大している。北部で1日、千人を超す群衆が国連施設を襲ったのに続き、2日は南部など各地に飛び火。米軍撤退開始を7月に控え、実現可能性に疑問符が付きかねない。

 群衆に襲われた北部マザリシャリフの国連事務所は、自爆テロを警戒して、高さ3メートルほどのぶ厚い壁に囲まれていた。

 群衆に対し、地元警察は当初、警告射撃で解散させようとしたが失敗。群衆の一部は武装。壁によじ登り、警備員から銃を強奪、火を放った。国連の外国人職員7人が死亡。鎮圧されるまで約3時間かかった。

 治安が悪いアフガンで、マザリシャリフは最も安全な都市の一つとみられてきた。米軍の撤退開始に合わせて始まるアフガン警察・国軍への治安権限移譲では、最初の実施地域の一つに決まっていた。

 駐アフガン外交関係者は「アフガン側の治安能力不足は明らか。権限移譲を予定通り進めるかどうか、議論は必至だ」と指摘する。

 反政府勢力タリバーンの根拠地だった南部カンダハルでは2日、国連事務所や州政府庁舎へ向かおうとするデモ隊と警察部隊が衝突し、地元当局によると、少なくとも9人が死亡、70人以上が負傷した。北部タカール州でも千人規模のデモがあったと報じられた。

 首都カブールでは2日、北大西洋条約機構(NATO)軍駐屯地前で2人が自爆。侵入を試みた別の2人が射殺された。市民1人が巻き添えとなり、NATO軍兵士3人も負傷した。

 騒乱の背後関係について、マザリシャリフの当局者は「タリバーンが扇動した可能性がある」として騒乱に加わった20人以上を拘束した。カンダハルの当局者も「武装勢力が便乗している」と指摘した。

 タリバーンの報道担当者はロイター通信などに対し、カブールの自爆への関与を認めつつ、「デモは我々とは無関係。良識あるイスラム教徒の純粋な行為だ」と主張した。

 アフガンの一般市民の間では、米軍などの軍事作戦による市民の巻き添えに、批判が渦巻いていた。非武装の民間人3人を殺害した米軍兵士が3月下旬、軍法会議で禁錮24年の判決を受けた。その兵士らが遺体をもてあそんでいる画像を独誌が報じ、アフガンのテレビでも放送された。

 政権基盤が弱体化するカルザイ大統領は、欧米批判で求心力の維持を図ってきた。先月24日には声明を出し、それまでアフガンではあまり知られていなかったコーラン事件を強く批判するとともに、米当局に関係者の処罰を求めた。デモが起きる背景につながった可能性がある。(ニューデリー=武石英史郎)

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