Tuesday, April 12, 2011

12/04 救えるはずの命が…相次ぐ「震災関連死」

過酷な環境、今も続く

 救えるはずの命が救えない――。3月末までに東北3県の主要病院で亡くなった282人は、震災が引き金となって命を奪われた「震災関連死」が疑われている。これは氷山の一角とみられており、今後も増え続けることは確実だ。

 東日本大震災では、津波で体をぬらした被災者に、春先でも厳しい東北の寒さが直撃した。さらに、停電や灯油不足が追い打ちをかけた。

 震災1週間後の3月18日、宮城県多賀城市の男性(79)が搬送先の「坂総合病院」(塩釜市)で死亡した。栄養不足で低血糖発作を起こし、肺炎と脱水症を併発していた。

 男性は11日、車ごと津波に流され、全身ずぶぬれの状態で避難所に入った。直後から食事が取れず、12日朝からうめき声を上げたが、周囲の人に救急車を呼ぶ余裕はなかった。13日昼、声かけに応じなくなり、ようやく病院に運ばれた。同病院では、肺炎や心不全など23人の関連死疑い例があったという。

 仙塩総合病院(多賀城市)では、先月17日夕までに、80~90歳代の高齢者を中心に入院患者7人が次々と亡くなった。津波で1階が浸水して多くの病院設備が機能せず、「暖房が使えず、寒さが体力を奪ったこと、震災のショックなどが死亡の間接的な理由」と、同病院の鈴木寛寿理事長は指摘する。201人いた入院患者を転院させようとしたが、他病院も病床が足りず断られたという。

 沿岸被災地の避難所は、1か月たった今も過酷な環境が続く。宮城県石巻市や女川町では下水道の設備が壊れてトイレが使えない。トイレを我慢するため、水分摂取を控える人も少なくない。水分が不足すると、静脈に血栓がたまり、エコノミークラス症候群を引き起こしやすくなる。津波で海のヘドロも市街地に流れ込んだ。支給される食事はおにぎりやパンが中心で栄養状態も悪い。

 アンケートでも、関連死の原因として、停電や断水、電話がつながらないなど連絡手段の喪失、燃料不足による移動手段の制約などが挙がった。避難所の暖房が十分でなく、衛生環境も悪いとする指摘が多かった。

 警察庁のまとめでは、11日現在も依然として約15万人が避難所生活を続けている。

(2011年4月11日 読売新聞)

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