Tuesday, April 12, 2011

12/04 福島第1原発:産業界に「レベル7」ショック

 「チェルノブイリ原発事故並みとのイメージが独り歩きすれば、ビジネスへの影響はより深刻化する」(大手旅行会社幹部)--。政府が12日、福島第1原発事故の国際評価尺度を過去最悪の「レベル7」に引き上げたことは産業界にも衝撃を与えた。海外からの旅行予約キャンセルの拡大や日本の食品の輸入規制が強まる懸念があるからだ。工業製品でも放射性物質汚染の恐れを理由に輸入が足止めされる例が出ており、「レベル7」ショックは震災からの復興を目指す日本経済の大きな足かせになる懸念がある。

 ◇宿泊キャンセル56万人分超

 「政府の原発安全宣言がない限り、海外からの旅行客は戻らないと覚悟していたが、『レベル7』発表はショック」。大手旅行会社幹部は12日、悲痛な声を漏らした。

 観光庁によると、福島原発事故の深刻化を受けて、日本で開催予定だった国際会議計60件が延期・中止となっている。ビジネス需要の急減と、外国人観光客の訪日取りやめに国内旅行の自粛も加わり、宿泊施設の予約キャンセルは56万人分超にものぼる。

 ◇28の国・地域で農産物輸入規制

 海外諸国が農産物などの輸入規制の動きを強化する可能性もある。農林水産省によると、11日時点で28の国・地域が日本産のホウレンソウや原乳など農産品・加工食品の輸入停止や規制強化を実施している。

 影響は工業製品にも及び始めている。米国などでは日本製自動車が放射性物質に汚染されているとの風評も出ており、日本自動車工業会は「輸出する自動車や部品の放射線量測定などを検討中」だ。

 電機メーカーも風評被害への対応に苦慮している。NECは福島市で生産する通信機器について、アジアや欧州から問い合わせが寄せられ、「放射能汚染に関する政府の避難指示区域外で生産した」と説明に追われる。【高橋昌紀、浜中慎哉、米川直己、弘田恭子】


毎日新聞 2011年4月12日 21時07分

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