Wednesday, March 23, 2011

23/03 岩手・宮城・福島の漁港「壊滅的」 養殖も各地で打撃

2011年3月23日5時42分

被災地の漁船・漁港の被害

 岩手・宮城・福島3県の太平洋沿岸の漁港・漁船が東日本大震災で「壊滅的被害」を受けたとの調査結果を22日、水産庁がまとめた。養殖施設も北海道から九州まで広範囲で被害を受けた。ただ、岩手・宮城両県の詳しい被害状況は確認できないままだ。

 水産庁が21日午後3時現在の被害状況をまとめた。漁港の被害は北海道から千葉県に及び、「ほぼ全域にわたり壊滅的被害を受けた」とみている岩手・宮城・福島3県では、計263漁港のうち58漁港で被害を確認。岩手・宮城両県では通信事情が悪く情報収集が進んでいない地域も多く、水産庁は残る漁港でも「何らかの被害を受けたのは間違いない」とみる。両県で2万隻を超える漁船や養殖施設の被害も懸念される。

 福島県でも全10漁港と8割の漁船が被災し、茨城県でも過半の漁港に被害が出た。

 岩手・宮城・福島3県の漁業生産額(2009年)は合計で約1350億円にのぼる。「すべてのインフラを失い、漁村そのものがなくなった地域もある。復旧には相当の時間と労力が必要」(全国漁業協同組合連合会)。出荷の減少による水産物の品薄や値上がりなど、消費者への影響も避けられそうにない。

 津波が広範囲に及んだため、養殖施設の被害は北海道から九州まで10道県以上に及んでいる。北海道では噴火湾周辺でホタテの養殖施設が壊滅的被害を受け、厚岸などでカキの養殖いかだが破損。道内の養殖関連の被害額は166億円にのぼるという。

 三重県では真珠やカキの養殖施設、和歌山県串本町でも近畿大学のマグロの養殖施設に被害が出たほか、青森、千葉、神奈川、高知、大分、宮崎の各県でも被害が確認された。漁船の給油施設や水産物の保管施設、さけの孵化(ふか)場などにも甚大な被害が出ているという。

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