Tuesday, March 29, 2011

29/03 「ざっくばらん」班目委員長発言に官邸ピリピリ

 国の原子力政策の安全規制を担う原子力安全委員会の班目春樹委員長の発言に首相官邸が神経をとがらせている。

 班目氏は28日の参院予算委員会で、菅首相が東日本巨大地震発生直後の12日、東京電力福島第一原子力発電所を視察したことについて、「首相が『原子力について少し勉強したい』ということで同行した」と語った。視察が「首相の勉強目的」とも取れる発言だったため、野党が「視察が初動の遅れにつながった」と猛反発。首相は29日の同委で、「そういう(勉強したいという)言葉を発した記憶はない」と打ち消しに躍起となった。

 班目氏は22日に首相と面談した後も、「(首相に)呼びつけられ、怒られた」と記者団に説明、首相周辺が「首相は怒っていない」と“訂正”して回る一幕も。過去にも、原子力発電所の運転差し止め訴訟の被告側証人として、「どこかで割り切らないと(原発の)設計はできない」と証言したことがあり、22日の同委では「割り切り方が正しくなく、十分反省している」と述べた。

 班目氏は東大教授などを経て、2010年4月に原子力安全委員に任命され、互選で委員長に就任した。研究者からは「ざっくばらんな性格で、偉ぶらない」と評されている。

(2011年3月29日19時17分 読売新聞)

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