Monday, June 6, 2011

06/06 1号機の圧力容器、地震5時間後に破損 保安院解析



2011年6月6日22時7分
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図:東電と保安院の解析結果の違い拡大東電と保安院の解析結果の違い
 経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質は77万テラベクレル(テラは1兆倍)とする解析結果をまとめた。また1~3号機とも溶けた燃料が原子炉圧力容器の底にたまる炉心溶融(メルトダウン)を起こし、1号機は東電の解析よりも急速に事故が進み、地震5時間後には圧力容器が破損していたとする分析もまとめた。
 1~3号機でメルトダウンを起こしたなどとする東電の解析について、保安院が検証していた。この結果、放射性ヨウ素換算で77万テラベクレルとなり、保安院のこれまでの推算の37万テラベクレルや、原子力安全委員会が周辺の観測値から求めた63万テラベクレルを上回る数値になった。
 数万テラベクレル以上になると国際的な事故評価尺度(INES)で「深刻な事故」とされる。チェルノブイリ原発事故(520万テラベクレル)と同じ最悪のレベル7に相当することに変わりないが、より厳しい状態だったことを示した。
 保安院は2号機の格納容器で温度が設計の上限値の138度を超え、格納容器に50平方センチ、圧力抑制室に300平方センチ相当のすき間ができたと想定。このため、放出量が大きくなったという。
 またメルトダウンを起こし圧力容器が破損した時間は、東電の解析結果より1、2号機で早まった。1号機は地震が発生した3月11日午後2時46分から約5時間後の午後8時ごろ(東電の解析では12日午前6時ごろ)と10時間早まり、2号機は14日午後10時50分ごろ(同16日午前4時ごろ)と29時間早まった。
 一方、3号機の破損は13時間遅く14日午後10時10分ごろになった。保安院は「東電の解析より圧力などの挙動が再現できている」としている。
 1号機で炉心の露出が始まったのは11日午後5時ごろで、午後5時50分に中央制御室の白板に書き込まれた線量上昇の記録や、その後原子炉建屋が立ち入り禁止になり、タービン建屋で線量が上がった記録とも整合するという。この結果、建屋内に水素ガスが漏れ出たとした。(佐々木英輔、小堀龍之)

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