Saturday, April 16, 2011

14/04 枝野官房長官の会見全文〈14日午後4時40分〉

2011年4月14日18時58分

 枝野幸男官房長官の14日午後4時40分の記者会見の内容は、次の通り。

 【冒頭】

 「本日、第1回東日本大震災復興構想会議が開催され、菅総理から五百旗頭議長に辞令を行った。会議の模様は、政府は諮問をした側なので、運営している議長からブリーフしてもらうということで、この後予定されている。政府としては6月末ごろまでをめどに提言をとりまとめていただきたいということで鋭意検討を進めていただくことを期待している。政府としては、会議からもらう提言を受けて、速やかに復興の基本方針に反映させ、一丸となって復興に取り組んでいきたい」

 【復興構想会議】

 ――復興構想会議では、復興財源についても議論されるのか。

 「諮問したので、その諮問部分はこの後公表されるはずなので、その諮問に基づいて、後はその中で含まれていると判断されるかどうかは、会議のみなさんに判断頂くことだ」

 ――経済財政諮問会議のように意見を述べるにとどまるのか。審議会のように勧告のようなものなのか。

 「法的にどういう書き方をするかはこれからの詰めだが、これだけの顔ぶれのみなさんにこうした形でお集まりいただき、地元の3知事にも参加をいただき、という構造なので、法的な書き方は別として、そこでまとめてもらう提言は大変重いものだ」

 ――復興の大枠は構想会議でまとめ、それに沿って政府が復興計画を進めるということか。

 「そうです」

 【野党から退陣要求】

 ――自民党の谷垣総裁が首相は自ら出処進退を判断すべきだと述べたが、今後与野党で一緒にやろうとしている震災復興がうまくいかなくなるのでは。

 「各党会派の中には、様々な意見があるのはある意味当然であろう。そうした意見も真摯(しんし)に受け止めながら、しっかりと責任を果たしてまいりたい。また、そうした政治的な発言とは別に、この震災にあたっては党派を超えて協力をいただいてきているところだし、これについては国民的視点から協力を今後もいただけるものと思っている」

 【原発事故の補償問題】

 ――東京電力の補償の財源について、一部報道で電力会社が公益法人に使用済み核燃料の再処理で積み立てている資金があるということで、東電分の1兆円を補償財源にあてるということで政府が調整しているというが。

 「まず政府は調整に入ったという事実は、少なくとも私の所に報告はないので、ございません。再処理等積立金は、すでに使用している燃料の再処理などのために積まれているもの、要は引き当てられているものなので、いったんそれを使うと、逆にすでに再処理が必要とされている燃料があるわけなので、結局一時的なつなぎにしかならない性格のものなので、そういった意味では根本的な財源にはならないという性格のものと認識している」

 【官房機密費】

 ――参院内閣委員会で、官房機密費の使途について震災支援の観点で効率的に使っていると述べたが、どういうことか。

 「その時も申し上げたが、官房機密費はまさに機密費だから、ただちに公表することが性格上困難な種類のところの使途にあてさせていただいて、これについてどうやって透明性を高めるかということについてはしっかりと使用の実態ということを把握をしたうえで、できるだけ透明性を高める方策を決めていきたいと私自身は思っている」

 「そうしたことのプロセスの中にあって、具体的な使途についてお話しできないが、しかし、こういった震災が生じて以降については、そうした震災にしっかりと対応していくという大きな行政全体としての役割の中で効果的に使わせていただいているということまでは申し上げられる」

 【出荷制限の解除】

 「ごめんなさい。もう1点私から発表すべきことがあり、野菜の出荷制限についてだが、栃木県において産出されたかき菜についての出荷制限の解除を本日、栃木県知事に対して指示した。詳細については厚生労働省及び農林水産省にお尋ねを」

 【官房機密費その2】

 ――機密費の支出額は。

 「毎月のものについては従来通り、その都度報告をする」

 【がれき処理】

 ――福島第一原発周辺でがれきの大量放置による放射性物質の汚染が懸念されている。現行の廃棄物処理法に加え、原子力規制法においても原発の外の廃棄物が汚染されるケースは想定されていないようだが、原子力安全・保安院を含めて関係省庁でも取り扱いの結論は出ていない。こうしたがれきの対応について見解は。

 「これはいま、避難地域になっている20キロ圏内については、まだ残っている方への対応とか、それからいわゆる警備のためのパトロール、それから遺体の捜索などについて、警察及び自衛隊が安全策、防護服などの安全策をしっかり取って頂いた上で、できる範囲で対応をしてきて頂いている。当然のことながら、遺体やアルバムに代表されるような、そうしたものについては、できるだけ早く対応をすることに全力をあげている」

 「それ以外のいわゆるがれきということについては、そこから放射性物質が出るわけではない。原子力発電所に由来をする放射性物質が付着をしている可能性があるということだが、いずれにしろ、そうしたものを抜本的に処理するためには、20キロ圏内への立ち入りが安全の観点から十分にできる状況を早く作るということなので、それまでの間、十分に中に入れる状況になった時に、そうしたものの処理をどうするのかということをそれまでの間にしっかりと詰めておきたい」

 【菅首相のブログ】

 ――午前中の会見で聞いた首相のブログは読んだか。

 「ブログは読んだ。まさに、特に地震発生直後、原発事故発生直後から、様々な情報が、しかも本当に日にち単位どころか、時間単位ですらない分単位で大きく変化している状況の中では、総理がブログで発信するためには、当然いろいろな準備があるので、発信をしようと思っても、実際に発信して受け取る方が受け取られるまでの間に、状況が大きく変化することもある。あるいは発信した直後に、大きく状況が変化することも想定されるということの中では、なかなかそうした状況の変化とのズレが生じる可能性が高いということを踏まえると、それによって様々な混乱を生じかねないということだと私は理解した。それは当然だ」

 【被災者への支援金支給】

 ――内閣委で被災者に対する支援金をゴールデンウイーク前にできればしたいということだったが、対象となるのは原発も含まれるのか。

 「まずは政府として直接対応する、もちろん配ってもらう作業は自治体のみなさんに協力頂くが、というか、形式的にも主体は自治体だが、政府としてそれをしっかり対応していくという意味での部分については、これはなんとか、できるところはゴールデンウイーク前にも、実際に被災者のみなさんに現金が渡ったというようなことにしたいということで、強く指示をして、なんとか実現をしたい。原発の避難指定をされているみなさんについては、これは形式的には主体が東京電力だが、これについても強く指示をして、東電にも努力させ、政府としてやれる部分は最善を尽くし、なんとか、もちろん全ての方にゴールデンウイーク前にということにはなかなか難しいが、できる部分については、早い方についてはゴールデンウイーク前に行き渡るように届くように努力をさせたい」

 【災害弔慰金の支給】

 ――災害弔慰金と災害障害見舞金が支給されると思うが、阪神大震災の後、補正予算が計上されているが、今回はどうなっているのか。

 「補正予算の詳細は財務省と関係当局で詰めており、少なくても私のレベルでの省庁間調整が必要なテーマとしてはあがってきていない」

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