Friday, March 18, 2011

18/03 日本政府は危機感欠如、不信といら立ち募らす米

. 【ワシントン=山田哲朗】放射能漏れを起こした福島第一原発で事態の悪化に歯止めがかからないことに対し、米国では日本政府の危機感が欠如しているとの焦りが募っている。

 米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長とエネルギー省のポネマン副長官らによる17日の記者会見では、米記者団から「日本政府がこの危機に対処できると信頼しているか」「日本の情報開示に不満を感じていないか」など、日本の危機管理能力を問う質問が相次いだ。

 カーニー大統領報道官は「オバマ大統領は、日本政府が十分に問題の深刻さを理解していると信頼している」と表向き答えたものの、内実は深刻に受け止めている。

 17日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国は原発の上空に放射能測定装置を積んだ無人機を飛ばして独自の情報収集に着手している。米政府からの測定装置の提供の申し出は地震直後に行われたが、日本政府は当初断り、事態が悪化し受け入れたという。

 ヤツコ委員長が16日、「4号機の水はすべて沸騰して干上がっている。放射線レベルは極めて高く、復旧作業に支障をきたす恐れがある」と証言したのは、無人機の情報を踏まえている可能性がある。

 日本政府が委員長の見解に反し、自衛隊が4号機のプールの水を確認したと発表したことをめぐっても、米メディアには「日本政府が情報を隠しているのでは」との不信感が広がっている。

 率直な議論を重視する米国では、事態の深刻さを直視する姿勢が強い。民間機関「憂慮する科学者同盟」は17日、記者会見を開き、核専門家のエドウィン・ライマン博士が「日本は絶体絶命の試みを続けているが、もし失敗すれば、もう手だてはない」と指摘、放射性物質が大量に放出されて「100年以上にわたって立ち入れなくなる地域が出るだろう」との悲観的な見方を示した。

 米国社会は常にイラクやアフガニスタンの戦死者など冷徹な現実と向き合ってきただけに、日本政府の対応は手ぬるく映る。17日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、「日本の政治、官僚機構は、問題の広がりを明確に伝えず、外部からの助けを受け入れようとせず、動けなくなっている」「日本のシステムはすべてゆっくりと合意に達するようにできている」とする匿名の米政府関係者の分析を紹介し、国家的な危機に及んでも大胆な決断ができない日本政府へのいら立ちをあからさまにした。

(2011年3月18日12時40分 読売新聞)

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